DXのご相談を受けるとき、最初にぶつかる壁はだいたい同じです。「やった方がいいことが色々あるのは分かる。でも、何から手をつければよいのか分からない」。
この記事では、支援の現場で実際に使っているDXの優先順位を決めるためのマトリクスを、そのまま公開します。
結論:「効果の大きさ」×「導入のしやすさ」の2軸で4つに分ける
やりたいことを2つの軸で4つに分けるだけで、優先順位はかなりはっきりします。
- 横軸:効果の大きさ
- 縦軸:導入のしやすさ
難しいツールも、高度な分析も必要ありません。
2つの軸の測り方
横軸「効果の大きさ」
工数の削減、売上・粗利へのインパクトのどちらか、または両方で測ります。「導入したら、月に何時間浮くか」「売上や粗利にどれくらい効くか」という素朴な問いで十分です。
縦軸「導入のしやすさ」
コストの大きさと、現場の抵抗感の少なさで測ります。値段が安くても、現場が使いたがらなければ「導入しにくい」に分類します。
4つの象限と、それぞれの進め方
効果大 × 導入しやすい → 最優先(今すぐやる)
ここに入るものから着手すれば、失敗が少なく、成果も出やすくなります。
効果大 × 導入しにくい → 次に狙う(準備してから)
コストや社内調整が必要ですが、やる価値は大きい領域です。補助金の活用先としても向いています。
効果小 × 導入しやすい → 余裕があればやる
優先度は高くありませんが、手が空いたときについでに進めるのに向いています。
効果小 × 導入しにくい → 保留
無理に今やる必要はありません。定期的に見直すだけで十分です。

上の図は、自社の整理にそのままお使いいただいて構いません。
DX優先順位マトリクス(無料テンプレート)
やりたいことと点数を入力すると4つの区分が自動で表示されるExcel版と、印刷して手書きでも使えるPDF版です。登録不要でダウンロードできます。
使い方:やることリストを1つずつ当てはめる
- 「やった方がいいと思っていること」を、思いつくまま書き出す
- 1つずつ、「効果は大きいか」「導入しやすいか」を判断してマトリクスに置く
- 「最優先」に入ったものから着手する
10分ほどで、「最優先」に入るものが2〜3個見えてくるはずです。会社にそのまま当てはまらない項目があっても、「こう見て整理すればよい」という型が手元に残ります。何も指標がないまま悩み続けるより、たたき台があるだけで動き出しのスピードは大きく変わります。
書き出す前に業務の流れを整理したい場合は、中小企業のDXはシステム選びから始めない。導入前にやるべき3ステップもあわせてご覧ください。
サウナも、無理のない順番で温まる
このマトリクスは、サウナでいえば「どのセッションから入るか」を決めるのに似ています。いきなり一番熱いサウナ室に飛び込む必要はなく、まずは軽く温まれるところから入り、効果が大きく無理のないところから順番に進む。DXも同じで、効果が大きく始めやすいものから手をつければ、無理なく続けられます。

まとめ:まずは「最優先」の2〜3個から
- やりたいことを「効果の大きさ」と「導入のしやすさ」の2軸で4つに分ける
- 「効果大×導入しやすい」から着手し、「効果大×導入しにくい」は準備してから狙う
- マトリクスの図とテンプレート(Excel・PDF)は、自社の整理にそのまま使ってよい
「最優先」に入りそうなものが見えてきたら、そこからの具体化をお手伝いします。自社のDXの優先順位を一緒に整理したいという段階でも、お気軽にご相談ください。




